himatom

明治時代からの相撲が好きです。

呼出しの悲哀

サンデー毎日別冊昭和三五年十一月場所号より。

消えてゆく相撲文化財小鉄・太郎と題して定年で土俵を去る呼出しと待遇の低さが紹介されている。

当時太郎が62年、小鉄が48年の土俵生活。今ではありえない長寿記録である。

結局再採用という形で2人とも残るが、他の3人はそのまま退職だった。

目につくのが待遇の低さ。月給が最高2万ということ。当時のテレビが5万~6万なのを見ると、現在の物価でも20万程か。さらには50年以上の勤続で退職金も50万程。世間で見れば20代半ばごろの給与であろう。結局は部屋からの手当てに頼っているか。

太郎にしても体の固まらない頃からの修行が忘れられないとか。今の呼出しは待遇面も恵まれているが技術が低い。専門を磨くことで一級品の芸が身に付いたのだろう。

 太郎、小鉄のような無形文化財的な呼び出し・行司はもう無理か…