相撲批評クラブ ひげ庄之助

明治時代からの相撲が好きです。

ちゃんこという言葉

相撲界で最も有名な言葉であろうちゃんこ。この言葉の起源がわからない。明治期に日立山人気で出羽海部屋に入門が殺到し多人数が一度に食事できる鍋料理ができたのがそもそもの「ちゃんこ」の始まりといわれるが大正期の相撲雑誌を見てもちゃんこ風景にも「食事風景」とあり当時はちゃんこの言葉がなかったようだ。このあたり定説と実態が違う。少なくとも常陸山没後に相撲界に広まったか。常陸山に対し敬意を表する意味もあったかもしれない。昭和10年代には「ちゃんこ」という用語がちらほらみられる。

ちゃんこの味が染みるという言葉は意外に新しく初代若乃花の二子山が広めたとか。そもそも江戸時代までの力士の食事がはっきりしないのだ。

低調な春場所

照ノ富士は5日目で2金星配給。とうとうギブアップ。思えば2019年春の復帰より毎場所勝ち越しで来た。そろそろ休息もいいか。只膝の調子が明らかに悪い。まだ横綱として4場所だがもう暗雲が。膝次第で今年中横綱が務められるかも微妙である。稀勢の里のように休場を連発すれば可能とも思えるが照ノ富士はそこまで延命するか…

問題は照ノ富士の代わりとなる横綱候補がいないこと。正代はもはや陥落→引退の危機。相撲を見る限り幕内中位でも勝ちこめるか怪しいだろう。御嶽海は新大関で7日目時点では1敗だがこれまでのクンロクぶりを見るとどこまで続く? 貴景勝も押し一本だけに好不調激しく横綱向きではない。大関陣はいずれも厳しい。若手の若隆景、琴ノ若、豊昇竜らは元気だが横綱はどう見ても時期尚早。現状1年後も新大関が出るか怪しい。

調整不足か単調な相撲も目立つ。かつての相撲誌では数年間安定しなければ横綱の資格なしとも厳しく評された。今その資格ある力士は照ノ富士意外にないのだが...

 

安念山

元関脇安念山(前立浪親方)が2月に亡くなっていた。存命なら87歳で元三役の長寿記録も迫っていたが…

栃若時代の昭和32夏に優勝。64年前で優勝から没までの最長記録だろう。引退後は理事を昭和45年から14期28年務めるなど昭和の相撲黄金期に力士・親方として在った数少ない生き残りだった。昭和時代の協会理事経験者は時津風豊山)84歳と北の富士の2人になったか。

退職後に当代立浪との間に訴訟が起きたのは残念。現役時代の颯爽たる風姿とは異なり守銭奴だったのか… 当代も部屋付き親方と対立、一門離脱など問題多く先代のみ一方的に非があると合点できないが。ここ数年の相撲をどんな心持で見ていたのか気になる所。10か月も伏せられるとは相撲関係者との接点も消えていたか。

粗暴な力士

12月15日は明治の大関大達、昭和の横綱玉錦と誕生日。さらに力道山の没日。

三人とも粗暴さで名を売ったのが共通。意外な因縁だった。大達は瀬戸物までバリバリ齧っていたというが力道山もガラスを噛み砕いていたとか。

さらにひげの伊之助、28代庄之助も同日。ひげの伊之助は73歳まで現役で行司現役最長記録。ひげの伊之助は80歳の誕生日前日に79歳で没。弟子の玉治郎(27代庄之助)は今月96歳に。

華吹もとうとう

鍋処ちゃんこ長華吹という求人広告が。

神戸で華吹がちゃんこ店をやるらしい。大の宝塚ファンから神戸に住むのだとか。今も現役だが数場所中にとうとう引退か?51歳、現役在位213場所、681勝という偉大な記録。一時引退の話もあったがとりやめになって現役続行していたはず。高齢力士は種々の問題もあるが相撲のしきたりを伝える、部屋での相談役になるなど意義もある。力士引退後のキャリアを充実してほしいものだ。

 

珍しい事

九州場所照ノ富士優勝と予想通りではあったが珍しいこともあった。十両平戸海の不戦敗無し休場、十両vs幕下が4番も組まれたこと。

北の若(幕下3)-旭秀鵬(十両14)

琴裕将(幕下1)-矢後(十両10)

對馬洋(幕下2)-旭大星(十両9)

深井(幕下4)-美ノ海(十両8)

入れ替え戦かと言えば微妙で単なる十両取組の数合わせか。

前頭12枚目石浦が7勝7敗ながら結びの5番前に出た事。優勝争いに名前があるでもなく相手も7敗の大栄翔で7敗同士を組ませるためだろう。阿炎の15枚目からの結びの一番も低地位記録であるが…