照ノ富士最多勝
9日目で照ノ富士が年間最多勝を決める。実に7年ぶりの70勝以上。ここ数年は星の潰しあい、上位陣の不甲斐なさから低調だった。50勝台が続くのも異例。個性派力士を増やしても要となる力士がいなければ締まらないのだ。
照ノ富士の最多勝は1月より予想されてはいたが他の力士がなんとも情けない。貴景勝は押し一本ながら奮起してるが正代は存在感すらなく無気力な相撲を展開。幕内上位と何ら実力は差がなく大関の昇進試験を1度クリアしたというだけだろう。御嶽海もムラがひどく他の三役陣は平幕往復レベルで定着も厳しい。照ノ富士次第だが今後数年は照ノ富士中心だろう。新大関がこの先1年も難しい現状では横綱は当分見られそうもない。
昔の横綱
白鵬の暴走は問題だったが昔の横綱は親方以上の力があった。読売大相撲昭和47年5月号「その後の4庄之助」より。
「私は長い間玉錦関の番頭をやりましたが、玉錦は取締などを呼びつけたものですよ。昔の横綱は権威がありましたね。それも東富士さんまでですね。東富士さんは理事クラスを自宅に呼びつけてましたし会長の時にストライキをやったり、検査役を力士会で選んだりした。それがどうです。今の力士会の弱さは。第一線で働いてるものの給料が安くて、やめた者が高い社会など相撲界以外どこにありますか。今は親方万能時代ですな。年寄の言うことなら間違っていても通ってしまう。」
25代庄之助の言葉だが行司ストライキの責任者だけに実感がこもる。
月給も11万7千円がストの結果15万になったという。昔の年寄は理事クラス以外は現役より格下だったらしい。白鵬のように傍若無人は論外だが年寄衆が無駄に力を持ちすぎとも…
九州場所の番付
九州の番付は定員42人の所41人。白鵬引退が編成会議後のことだったためだろう。横綱白鵬を急遽消去し年寄欄5番目に「間垣翔」。
番付面の不公平はままあり、昭和25夏は前場所前頭筆頭で8勝7敗(うち不戦勝2)の出羽錦が小結、前頭2枚目で9勝の神風が西筆頭。大部屋出羽海の出羽錦が不戦勝2つということで揉めた。弱小二所ノ関の神風は腐って5連敗で休場。そのまま引退した。近年では平10秋十両5枚目で4勝の久島海が下に8枚ありながら幕下筆頭に陥落。場所前引退した。
当時陥落やむ無しは10枚目で1勝の栃乃藤、12枚目の豊桜(7勝)、13枚目の五剣山6勝の3人。一方昇進確定は東西筆頭の栃ノ巌、北勝光5勝、2枚目の和歌乃山5勝、6枚目で全勝の竹内と4人。和歌乃山を据え置き3人の入れ替えもあり得たが陥落。この場所の十両は大勝ち大負けが少なく6勝~9勝が26人中22人。9枚目の出羽平が7勝で陥落候補ではあったはずだが。平成以降6枚目以上で4勝以上ながら幕下陥落は唯一のケース。これに限らず久島海は番付運悪く早逝とともに偲ばれる。